O脚は膝(ひざ)の痛みの大きな原因です
日本国民の8割がO脚と言われています。
少し大げさとも思えるデータですが、しかしあながち軽視できない問題をはらんでいると考えています。
私が整形外科医院に勤めていた時、その医院には毎日多くの高齢者が来院し、ほとんどの方が膝(ひざ)の痛みを訴えていました。その痛みは今まで経験したことのない辛さと言います。
膝の痛みの原因は、いわゆる「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」という膝の関節が変形してしまう病気です。激痛を伴い水が溜まるのが特徴です。
膝関節に水が溜まるのは炎症を鎮めるためだと考えられていますが、ではどうして炎症が起きてしまうのでしょうか?
高齢で膝痛を訴える方の足は直足(まっすぐな足)ではなく、O脚が進行したガニ股です。
O脚は膝の関節に不自然な加重がかかるため、炎症を起こしやすいのです。
もちろん、O脚のすべての人が膝が痛くなるとは限りませんが、
膝関節に不自然な加重がある限り、老化とともに膝の変形は進行するでしょう。
まだ若いのに膝が痛いという方は変形を進行させないよう早めのケアが大切です。
マラソンランナーの膝(ひざ)の痛み
近年のマラソンブームからランニングをご趣味にされている方の来院が増加しています。
レースや練習中に膝が痛くなる方の多くはこう言います。
「ある距離を過ぎたあたりから膝が疼いて来る」と。
それを我慢していると耐えられない痛みになります。あるいは脛(すね)の痛みや足首の痛みを訴える方もいます。
こうした痛みはなぜ起きるのでしょう?
それは関節のマルアライメントが原因です。
マルアライメントとは、骨・関節の不整列という意味。つまり脚の関節の歪みO脚やX脚のことです。
関節の並びが悪い状態でランニングのような同じ動作を反復的に行うとどうなるでしょう?
下の図は下肢マルアライメントの運動評価法です。向かって左は正常なアライメント、右はマルアライメント。足を一歩前に踏み出した時の膝の向きを見ると、真っ直ぐ前方に膝が出る正常なアライメントに対してマルアライメントのほうは膝が内側に入り込んでいます。
こうした現象はO脚で良く観察されます。この状態で反復運動をすると膝などの関節に負担がかかり痛みにつながるのです。
O脚を矯正するとランニング時に膝痛が軽減したとか、痛くなるまでの距離が伸びたという感想を頂いております。
膝が痛くて走ることが不安な方はアライメントをチェックしますのでご相談ください。
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